「空室がなかなか埋まらない…」「築年数が経ってきて、家賃を下げるしかないのかな」。そんな悩みを抱えている大家さんは、多いのではないでしょうか。
一方で、厳しい市場でも工夫を続けて、高い入居率をキープしている大家さんがいます。そんな方たちのノウハウをいちばん手軽に学べるのが、「本」です。そしてもうひとつ、すぐに試せるのが貼ってはがせる素材を使ったプチリフォーム。
この記事では、賃貸管理の現場に関わる立場から、空室対策のおすすめ本2冊と、成功している大家さんがよく使うプチリフォーム材を、使い方の注意点も含めてご紹介します。マネることが、成功への近道ですよ。
この記事はこんな方におすすめです
- 空室対策をしているのに、なかなか効果が出ない大家さん
- 築古のアパート・マンションで、家賃収入が下がってきている方
- 相続などで賃貸物件を引き継いだばかりで、何から始めたらいいかわからない方
- お金をかけすぎず、自分でできる工夫を探している方
なぜ今「空室対策」を学び直したほうがいいの?
総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%と、いずれも過去最多の水準でした。空き家には賃貸住宅以外のものも含まれますが、住まいの数が余っている時代であることは確かです。
入居者さんから見ると、選べる物件がたくさんある状態。だからこそ、「これまでと同じやり方」では選ばれにくくなっています。以前は効果的だった空室対策も、時間とともに効き目が薄れていきます。
とはいえ、物件ごとに事情が違うので、「これをやれば必ず埋まる」という万能の方法はありません。大切なのは、いろいろな成功例を知ったうえで、自分の物件に合うものを選んで試すこと。その入り口として、本はとても頼りになります。
空室対策の本を選ぶ3つのポイント
- 実例が載っているか:理論だけでなく、実際に行った対策や結果が書かれているもの
- 自分の物件に近いか:築古、地方、都心、一棟か区分かなど、状況が近いほど参考になる
- 発行年を確認する:市場や制度は変わるため、基本の考え方を学ぶ本か、最新の事例を知る本かを意識して読む
今回ご紹介する2冊は、役割が違います。まずは、ざっと比較してみましょう。
| おすすめ本① | おすすめ本② | |
|---|---|---|
| 書名 | 金持ち大家さんがこっそり実践している 空室対策のすごい技 | 大家さん!! あなたのアパートはもっと稼げます〜お荷物不動産に年収5000万円を稼がせる方法〜 |
| 著者・監修 | 浦田健(監修)/日本不動産コミュニティー | 奈良桂樹 |
| 出版社・発行 | 日本実業出版社・2012年7月 | みらいパブリッシング・2019年4月 |
| 定価 | 1,650円(税込) | 1,540円(税込) |
| ページ数 | 284ページ | 168ページ |
| 向いている人 | 空室対策の「引き出し」を増やしたい人 | 築古・リノベーションで収益改善を考えたい人 |
※定価・発行年は出版社などの掲載情報です。現在の販売価格は、販売ページでご確認ください。
空室対策のおすすめ本①『金持ち大家さんがこっそり実践している空室対策のすごい技』
日本実業出版社から2012年に発行された本で、浦田健さんの監修、日本不動産コミュニティーの編です。空室問題を解決するための「スゴ技」を、たっぷり集めた一冊として紹介されています。
商品の紹介では、状況が厳しくなればなるほど、工夫し続けて満室を継続している大家さんたちのノウハウを、すぐ実践しやすいようにまとめた本とされています。執筆陣は、大家検定の最高資格「賃貸経営コンサルティングマスター」の保有者と紹介されていて、理論から実務まで幅広い視点で書かれているのが特徴です。
また、出版社の紹介記事では、まず自分で物件を掃除して「気づく」ことの大切さが取り上げられています。人任せにしていると見えない不具合やもったいない点に気づける、という考え方は、物件に足を運ぶきっかけにもなりますよね。
こんな人におすすめ
- 空室対策の基本から、幅広く知りたい初心者の大家さん
- 色々な事例から、自分でできそうなアイデアを探したい方
読むときの注意点
発行から年数が経っているため、募集の方法やインターネットまわりの環境など、今の状況とは違う部分もあります。基本の考え方やアイデアの引き出しとして読み、今の物件に合うかどうかは管理会社などに相談しながら判断するのがおすすめです。本に書かれた対策を実践したからといって、満室になることが保証されるわけではありません。
空室対策のおすすめ本②『大家さん!! あなたのアパートはもっと稼げます』
こちらは2019年にみらいパブリッシングから発行された、奈良桂樹さんの著書です。サブタイトルは「成功実例に基づいた実践型空室対策ガイド」。出版社の紹介では、著者は住友不動産を経て、2008年にNKコンサルティングを設立。不動産の売買から建築まで約30年の実務経験を持ち、数多くのリノベーション物件を手掛けてきた方とされています。
築古物件を、リノベーションで収益力のある物件に変えていく考え方や、空室対策の実践例が学べる一冊です。1冊目が「いろいろな空室対策のアイデア集」なら、こちらは物件の価値を上げて、収益を立て直す視点が中心、というイメージです。
こんな悩みのある方は、ぜひ読んでほしい本です
- 空室対策をしているが、効果が出ていない
- 築古マンションで、家賃収入が下がり続けている
- 築古でも、安定経営を目指したい
- 空室対策は何をしたら良いのか、わからない
- リノベーションをしたいが、資金繰りが不安
- 後継者に引き継ぐためには、どうしたらいいのか
- 管理会社を選ぶ際の注意点を知りたい
- 不動産を相続したが、何をしたら良いかわからない
リノベーションには大きな費用がかかるので、本を読んで終わりにせず、収支のシミュレーションや、複数の業者の見積もりで確認することを忘れずに。相続した賃貸物件で困っている方は、賃貸物件を相続したら要注意!クレームの原因と最初の手続きもあわせてどうぞ。
本を読んだあとが勝負|実践のコツ3つ
- 1冊につき、まず1つだけ試す:全部やろうとすると続きません。できそうなものを1つ選びましょう
- 管理会社に共有して相談する:募集条件や写真、内見の対応など、管理会社と連携すると動きやすくなります
- 効果を記録する:問い合わせ数や内見数が増えたか、メモしておくと次の判断に役立ちます
お金をかけずに始められる工夫は、お金をかけずに1カ月で満室にするおすすめ空室対策5選で紹介しています。また、管理会社が実践しているチェック事項は、入居率95%の賃貸管理会社が実践している空室対策チェック事項も参考にしてみてください。
成功している大家さんがよく使うプチリフォーム材
本でアイデアを学んだら、次は「手を動かす」番。気軽に試せるのが、貼ってはがせるタイプのプチリフォーム材です。お部屋の第一印象が変わると、内見のときの「いいな」が増えます。
プチリフォーム材①|貼ってはがせるレンガ調の壁紙
シンプルで素っ気ない、いわゆる「男前インテリア」は、ブームのひとつ。レンガ調の壁紙を貼れば、モダンなインテリア風のお部屋に、ぐっとイメチェンできます。
ご紹介する商品は、のり付きで「貼ってはがせる」タイプとして販売されています(商品ページより)。簡単にはがせる素材なので、試しやすいのが魅力です。いちばんのおすすめはキッチン。雰囲気が重くならず、おしゃれなキッチン空間になります。
プチリフォーム材②|貼り直しやすいウォールステッカー
もうひとつは、壁に貼るウォールステッカーです。選ぶときは、安すぎるものに注意しましょう。口コミでは「すぐ剥がれる」「届いたときにシワだらけだった」という評価のものもあります。購入前にレビューを確認するのがポイントです。
ご紹介する商品は、品の状態も良く、粘着力も十分。貼り方を失敗しても、剥がしてやり直せます。不器用な私でも簡単に貼れましたし、お部屋も素敵になりました。
貼る前にチェック!プチリフォームの注意点
「貼ってはがせる」商品でも、使い方を間違えるとトラブルのもとに。次の点を確認してから始めましょう。
| チェック項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 管理会社・関係者への確認 | 管理会社がいる場合は、事前に相談。入居中のお部屋では、勝手に施工しない |
| 下地の状態 | 壁がはがれていたり、凹凸が大きかったりしないか。目立たない場所で試し貼りをする |
| 場所に合った素材か | コンロ周りなど、熱や火気の影響を受ける場所は、耐熱・防炎などの表示を確認し、メーカーの使用上の注意を守る |
| はがすときの跡 | はがしたときに、壁を傷めないか。商品の説明を確認する |
| 写真の撮影 | 施工前後の写真を残しておくと、募集用にも記録用にも使える |
入居者さんがDIYできる賃貸という選択肢も
お部屋づくりを入居者さんに任せる「DIY型賃貸借」という方法もあります。国土交通省は、契約書式例やガイドブック「DIY型賃貸借のすすめ」を公表していて、借主が希望する改修内容を貸主に申請し、貸主が承諾したうえで合意書を取り交わす方式が示されています。改修内容や、退去時の原状回復をどうするかを、あらかじめ決めておくのがポイントです。詳しくは国土交通省の公表資料をご覧ください。
空室対策の進め方|5ステップ
- 空室の原因を整理する:家賃、設備、写真、募集条件、内見時の印象など、どこに課題があるか
- 本や事例でアイデアを集める:今回ご紹介した2冊などから、できそうなものを選ぶ
- 小さく試す:プチリフォームなど、費用の少ないものから
- 管理会社と連携する:写真の撮り直しや募集図面の見直しもセットで
- 結果を見て、次の手を考える:問い合わせ・内見数の変化を記録
管理会社選びで迷っているときは、エリア別の記事も参考になります。三郷市の賃貸管理会社のおすすめ4選、吉川市の賃貸管理会社のおすすめ3選もご覧ください。
空室対策に関するよくある質問
Q. 空室対策の本は、どれから読めばいい?
まずは、幅広いアイデアが載っている本から読んで、引き出しを増やすのがおすすめです。そのうえで、築古やリノベーションなど、自分の悩みに近いテーマの本に進むと理解しやすくなります。
Q. 古い本でも役に立つ?
基本の考え方は参考になりますが、募集の方法や市場の状況は変わっています。今の状況に合うかどうかは、管理会社などに確認しながら取り入れましょう。
Q. プチリフォームは、どこから始めればいい?
お金も手間も少ない、キッチンや玄関まわりなど、内見で目に入りやすい場所から試すのがおすすめです。ただし、事前に管理会社などへ相談し、下地や素材の確認をしてから進めてください。
Q. 空室対策をしたら、必ず埋まる?
残念ながら、必ず埋まる方法はありません。物件の立地や条件によって、効果は変わります。いくつかの対策を試しながら、改善を続けることが大切です。
まとめ
空室対策はいろいろありますが、それは物件ごとに合う対策が違うからです。成功している大家さんの本を読んで、多種多様な空室対策を学びましょう。また、自分でできるプチリフォームは、ぜひ一度やってみてください。ちょっとしたことで、お部屋の雰囲気がガラリと変わります。
- 空室対策のおすすめ本は、アイデア集の①と、収益改善・リノベの②の2冊
- 本は、基本の考え方を学び、物件に合うものを選んで試す
- プチリフォームは、事前確認をしてから、小さく始める
できそうな空室対策を、一つずつ実践して満室を目指しましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、空室の解消や収益の向上を保証するものではありません。書籍の情報は出版社等の掲載内容に基づきます。商品の価格・仕様は変更されることがあるため、購入前に販売ページでご確認ください。

