相続系統のクレーム

オーナーは、入居者希望申し込みの依頼をされていたが、急死した。相続手続きが未了の段階ですが、相続予定のオーナー奥さんと入居手続きを進めてもよいか。

奥さんが全ての権利を相続するという遺言がない限り、相続手続きが未了の段階でオーナーの奥さん名義で契約書を作成することは適切ではありません。相続手続きが未了の段階では相続人全員の了解を取り付けたうえで契約を締結することが必要です。
よって、①相続人全員の記載で契約書を作成する方法、②奥さんが相続人の代表であるという文書を相続人全員による署名捺印で作成するか相続人全員から奥さん宛の契約締結のための委任状を作成してもらったうえ奥さんが相続人代表として入居希望者と契約を取り交わす方法、のどちらかを選択してください。
今月下旬に契約開始の条件で前月に賃貸契約の申込みがあった。ところが、オーナーが今月上旬に逝去されたため、契約書の調印が未了の状態です。近年、実務的には、契約手続きはオーナーの息子がしているので、貸家も恐らく息子が相続すると思われるが、現時点において、契約書への署名捺印はどのようにすればよいか。また契約書に加えておきたい文言があれば教えてほしい。
その他の相続人から賃貸借契約締結に関する息子への委任状を取り付けたうえで、息子を相続人代表者として、契約書に署名捺印してもらっておくのがよい。契約書に加える文言としては、
「貸主側の遺産分割協議が調い、対象物件の相続が確定した場合、本件賃貸借契約の貸主たる地位は、契約当初に遡って、当該遺産分割協議により対象物件の所有した者となることを借主はあらかじめ承諾する。」
と規定しておくとよい。